Access向けEdge Webブラウザーコントロールがリリースされたので使ってみた
3/27/2023
Access向けEdgeブラウザコントロールをめぐる変遷
みんな大好きAccessには、ブラウザコントロールというものが存在します。
このブラウザコントロールはIEがベースですが、ご存じの通り2022年6月にIEのサポートは終了しました。
一応2029年まではIEベースのコンポーネント類のサポートは継続されるのですが、
.NET向けには、新たにEdgeベースのブラウザコントロールWebView2の提供が開始されており、
Access向けにも同様に新しいブラウザコントロールのリリースが発表されていました。
DAAUG What's New in Access 2020より
前職でAccessとWeb技術を組み合わせたプロダクトを開発していた関係で非常に待ちわびていたのですが、
当初2020年末にリリース予定だったはずが何度か延長の末、最終的にロードマップ上から消えてしまいました。
(同じくロードマップにあったmonacoベースの新しいSQLエディターもキャンセル)
もうAccessの新機能開発はすべて中止されたのかと思っていましたが、
なんと、2023年3月13日にプレビューチャンネルにてEdgeブラウザコントロールが突如リリースされました。
(monacoエディタは復活せず...)
今回、早速試してみたので、解説していきます。
Office Insiderプログラムに参加する
2023年3月27日現在、Edgeブラウザコントロールは、プレビュー版の最新チャンネルでのみ先行リリースされています。
まずはOfficeのInsiderプログラムに参加する必要があります。
個人向けOfficeの場合は、Officeアプリを起動し(どれでもよい)"アカウント>Office Insider>Office Insiderに参加"をクリックするだけです。
法人向けOfficeの場合は、Office展開ツールなりグループなりレジストリなどでチャンネル変更する必要があります。
詳しいやり方は、Microsoftのドキュメントを参照ください。
チャンネルの変更後、更新プログラムから今すぐ更新で、最新のプレビュー版にアップデートできます。
Edgeブラウザコントロールを使ってみる
最新のプレビュー版にアップデート後、すでにAccessでEdgeブラウザコントロールが使用可能になっています。
早速フォームエディタを見てみると、、、
リボンのフォームデザインのコントロール一覧にありました!
注意点としては、新規フォームを作成し保存していない状態では、なぜかリボンにEdgeブラウザコントロールが表示されませんでした。
一度フォームを保存し、再度デザインビューで開くことで表示されます。
では早速フォームに配置してみます。
従来のブラウザコントロールと同じように配置し、Yahoo Japanを表示してみました。
また、IEベースの従来のブラウザコントロールだと、Javascriptエラーやレイアウト崩れ、サポート対象外のメッセージが表示されますが、
新しいブラウザコントロールでは何の問題もなく、表示できています。
VBAから操作
従来のブラウザコントロールはVBAから様々な操作ができました。
新しいブラウザコントロールでも同様のことができるのか確認したかったのですが、
VBAエディタからメソッドを確認しようとしたところ、Accessごと落ちてしまいました。
この辺りは、まだベータ版という感じ。
新しいブラウザコントロールで何が変わるか
Access製の業務支援システムと他の基幹システムやSaaSとの連携がしやすくなり、Webスクレイピングツールの作成も容易になるなど、新しいブラウザコントロールには多くの利点があります。
ただ、現状プレビュー配信段階ですし、正式リリースされたとしても、新しいブラウザコントロールを使ったAccess製システムを使うには
使う側も最新のAccessバージョンである必要があると思われるため、実運用で利用する場合には、注意が必要です。
今更Accessで~と言う意見もありそうですが、難しい環境構築も必要なくインストールすればすぐに使えて、
ネット上にVBAの情報が豊富にあるので、まだまだ中小企業や個人には協力なツールだと思いいます。
今後もAccess製のシステムに新しい可能性が広がっていくことを期待しています。(していない)
以上、新しいブラウザコントロールを触ってみたよという記事でした。